スローカロリー研究会発足によせて
一般社団法人 スローカロリー研究会
理事 勝川 史憲
(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター教授)
スポーツ栄養の特徴の1つに、タイミングによって摂取する内容を調整する方法があります。シーズン中とシーズンオフ、週末の試合・競技会や毎日のトレーニングの前後、といった食事の調整が常にあり、いつ何を摂るか、時間の要素が重要になってきます。
多量の食品を摂取すれば栄養素の多くは自然に充足されるので、運動する人では多いエネルギー消費量と発汗量に見合った多量のエネルギーと水を、すみやかに補給することが基本となります。たとえば、スポーツドリンクの糖の濃度として4~8%が適切なのは、液体の胃からの排出を速くし水分の吸収を優先するためです。
スローカロリーは糖尿病などの生活習慣病のコントロールに有用ですが、他の吸収の速い食品と組み合わせるなどすると、とくに持久系の運動中のエネルギー補給にも有用な局面があると思います。今後の研究の発展に期待しております。